天地の話 2

 天空を見上げる。雨が落ちてくる。雪が舞う。太陽や月が昇るたびに見上げる。空の向こうに何が。

 飛行機の上から見えた雲の上からの青。天に近いと思いました。今年9月の有人宇宙船の窓から地球を見た映像が新聞に掲載されていました。青い地球。とてもロマンチックで美しい。

 ロケットからの天空のイメージは青い地球。荘子の大鵬が見たよりまた世界は広がるのか?ロケットに乗っている人にとって天と地はどうなっているのでしょう?

 人は地に足をつけて立ちます。頭の上には天。太陽や月を見上げる。飛行機に乗ると足はつきません。もちろんロケットも。 見える風景も地上からとは異なります。

 森羅万象を生み出す天地。飛行機やロケットで遥か彼方まで人は行くことができるようになりました。

 しかし、古の人は、毎日天を仰いでその変化を克明に記しました。何十年も、何百年も。天の果ては知らなくてもただひたすらに。昼間の太陽を、夜の月の満ち欠けを、風を、雨を。それを元に暦を完成させました。

 たゆまぬ努力は天という名の下で、万象のありようを天の六季と名づけたのです。