天地の話 3

 「今宇宙にいるよ」

 ゾゾタウンの前澤友作社長のツィートがネット上に上がっています。2021年12月8日、民間人を乗せたソユーズが国際宇宙ステーションにドッキングしたニュースが報道されました。天に向かっての宇宙旅行の幕開けです。

 古の人は地にあって天を見上げることしか出来ませんでした。たゆまぬ天体観測が暦を作るきっかけとなりました。地球が太陽の周りを一周すると一年。約365日。暦は、季節ごとに織りなす万物の変化とそのデータの蓄積の賜物と言えるでしょう。

 天地の名に惹かれて「天地明察」冲方丁(うぶかたとう)著を読みました。

 主人公渋川春海は、江戸時代に日本に伝わっている中国の暦の誤差を正そうとします。人間が天に触れ得る唯一の術は、天体観測と地理測量。天と地を結ぶ見えない道を模索しました。永遠に誤差を出さない暦法が完成された時、天地明察、御明察ですとなるのでした。

 民間人を乗せた宇宙船が天を突き抜ける時代。人は、天地の間の中、森羅万象の変化にどのように対応していかなければならないのでしょうか?

 暦を通して、東洋医学と鍼灸治療から考えていきたいと思うのです。