不老長生のお話 2 漢医術

漢医術は、中国の漢時代に集大成されました。道教思想に基づき不老長生を目標としています。秦の始皇帝が不老不死の薬を探し求める話は有名ですね。

この医術の特徴;

●鍼・灸・切開を外治法に分類

●煎薬・丹薬・食餌を内治法に分類

●正骨・あんま・指圧を骨傷法に分類

●導引・吐納・整体・養生・温泉浴を気功法に分類

大まかに4つに分け病気によって使い分けます。(但し、中には失伝されているものもあります)

第一優先は、鍼灸治療。皮膚表面に針や灸をして多方面に効かすことができます。鍼医が最も位が高いとされていました。

漢方薬は、直接内臓に効かせ、内や外を治すことができます。

骨折や捻挫などの外傷時には、正骨、あんま、指圧で調整します。

導引や吐納は、自分で呼吸を意識しながら体を動かし、病気を治します。養生も温泉浴も大切です。

 

二千年後の現在、私たちが行なっているはり灸治療は以下のとうりです。

肩こりや腰痛の患者さんが来れば、痛みやこりの原因がどこにあるのか?を考えることから始めます。その上で、内臓の不調を調整しながら、同時に肩こりや腰痛の症状に効くはり治療を施術します。必要であれば、あんま、整体、指圧を加え、原因によっては導引法や養生法をお伝えします。

治療後、顔色が来院時とは打って変わり血色の良いピンク色になり、しかも、つらい症状が取れていれば、治療は成功です。

ピンク色の顔色は、内臓が元気に動き出している証拠です。

内からの活性化は、内臓の若返りであり、不老長生の第一歩。それが外に溢れると、絹のような滑らかな肌、豊かな黒髪にまで波及します。今流行りのアンチエイジングの本来の姿ではないでしょうか?

 

始皇帝が望んでやまなかった不老不死の薬の原点は、漢医術の中に見出すことができました。秦漢時代のはざま、彼は、地味な針や養生より不老不死の丹薬に惹かれたのでしょうね。